各分野への応用銅の超抗菌・抗ウイルス性能の応用

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古代エジプトでの銅の給水管や飛鳥時代の水時計の銅パイプなどに始まり、銅は青銅器時代(紀元前3,500~1,200年)から、私たちの生活の中でさまざまな用途に使われてきました。加工性はもちろん、当時は研究でまだ証明できていなかった銅の優れた超抗菌・抗ウイルス性能がその一つの理由。数千年にわたり、銅は人類の健康と生活を守り、支えてきました。

今は、科学と技術の進化により、様々な試験を通じて銅の超抗菌・抗ウイルス性能は証明されています。これらの結果により銅はさまざまな分野で信頼され、私たちの生活に広く活用されています。日常生活から医療分野、環境整備や見えないインフラまで、銅の超抗菌・抗ウイルス性能は人々の生活と命を守っています。また、新たなニーズへの応用も増え、コロナ禍においては銅を活用した消費者用の超抗菌・抗ウイルスグッズが現れました。今後も、銅を活かしたさまざまな革新が期待されています。

各分野への応用の説明イラスト

日常生活への応用

手でよく触れる場所

ドアノブ・手すり・トレー

手でよく触れるようなドアノブ、手すり、コイントレーなどで銅の超抗菌・抗ウイルス性能が活用されています。近年、北里大学がドアノブの金属素材による殺菌性能を比較した実験結果を発表し、ステンレス製に比べ青銅製・黄銅製のものが極めて高い抗菌性を持つことが確認されました。

ドアノブの写真
ドアノブの写真
ドアノブにおける殺菌効果のグラフ
事例:子どもを守る安全安心プロジェクト
「銅の抗菌性を生かした銅製建具の実例」
「銅の抗菌性を生かした銅製建具の実例」

病原菌への抵抗力が弱い小さな子どもが集まる保育園では、食中毒やインフルエンザなどによる集団感染の予防が重要な課題です。日本銅センターでは、保育園・幼稚園への銅の超抗菌性能の利用を進めるように「子どもを守る安全・安心プロジェクト」 を展開し、銅製品の導入を希望する施設を一般公募しました。八王子市「めじろ保育園」、三鷹市「第二小羊チャイルドセンター」、いわき市「金谷幼稚園」「小島保育園」などで、黄銅製の手洗い場の金具や階段手すりなどの導入を支援しました。

硬貨(コイン)

銅でできている硬貨は、いろいろな人の手を経ても、銅の抜群な超抗菌性能によって常に無菌状態を保つことができます。これは10円玉だけでなく、銅を主成分とする銅合金でできている5円玉、50円玉、100円玉、500円玉いずれも同様で、それらのコインの表面は細菌が繁殖せず清潔です。

銅が使用されているコイン

5円黄銅貨幣:銅60~70%、亜鉛40~30%
10円青銅貨幣:銅95%、亜鉛4~3%、スズ1~2%
50円白銅貨幣:銅75%、ニッケル25%
100円白銅貨幣:銅75%、ニッケル25%
500円バイカラークラッド硬貨:銅75%、亜鉛12.5%、ニッケル12.5%
ただひとつ銅を含ふくまないのは、1円アルミニウム貨幣(純アルミニウム)です。

「銅の抗菌性を生かした銅製建具の実例」

キッチン用品

銅製三角コーナー・排水口ゴミキャッチャー

銅はその超抗菌性能によって、O157などの大腸菌やレジオネラ菌といった細菌類の繁殖を防ぎ死滅させることができます。そのため、銅製の三角コーナーや排水口ゴミキャッチャーは、常に衛生的でヌメリが出にくく、気になる匂いも出しません。

北里大学医学部との試験では、バスケットの表裏面に付着する細菌の数を調査しました。銅製の排水口ゴミキャッチャーは、ステンレス製のものよりも、そこに付着しヌメリの原因となる細菌数を明らかに持続的に低減させていることが分かりました。

ド銅製三角コーナー・排水口ゴミキャッチャーの写真/バスケットの表裏面に付着する細菌の血調査結果
抗菌スポンジ・たわし

O157などの大腸菌やレジオネラ菌といった細菌類の繁殖を防ぎ死滅させる超抗菌性能を利用した銅微粒子入りの抗菌スポンジ・たわしなどのキッチン用品が人気です。

ド銅製三角コーナー・排水口ゴミキャッチャーの写真/バスケットの表裏面に付着する細菌の血調査結果

銅繊維

銅を極細な繊維に加工することで、普通の繊維と同じように生地に編み込んで使用することができます。この銅繊維にはもちろん銅の超抗菌・抗ウイルス性能があるので、幅広い用途で活用されています。

マスク

新型コロナウイルスのパンデミックで銅繊維マスクが注目を浴び、品揃えが増えましたが、実は銅繊維は危険な菌やウイルスから身を守るだけでなく、気になる口臭にも対処するために実は以前から美容用マスクに採用されてきました。

近年は技術の進歩に伴ってさまざまな銅の加工方法が開発され、銅繊維を生地に編み込むだけでなく、ナイロン繊維に銅箔糸を巻き付ける加工や、不織布マスクに銅合金を蒸着させる加工などが使用されています。

靴下

靴下に銅繊維を埋め込むことで、超抗菌性能によって生地に消臭効果を持たせると同時に、水虫の元になる菌の繁殖を予防することができます。

銅繊維を埋め込んだ靴下の写真

水の衛生(銅管・洗面器)

銅管

銅管は多くの高層ビルやマンション、一般住宅で給水・給湯配管として採用され、私たちのライフラインを支えています。配管材として世界の国々で使われている銅管には耐震性、経済性、リサイクル性などすぐれた特徴がたくさんありますが、さらに銅の超抗菌性能で衛生的に使えるということも大きな特徴です。水に溶け出した銅イオンは微生物を殺菌する微量金属作用があるため、水の衛生をしっかり守ることができます。

銅繊維を埋め込んだ靴下の写真
東京都日野市南平小学校

銅管が水の衛星のために使用されている一つの事例としては、学校が挙げられます。多くの小中学校では、夏休みなど長期間水道を利用しないことがあり、貯水槽水道を介した水道水の水質が懸念されてきました。その対策として、水道管と蛇口を結ぶ直結給水への切り替えを行う際にも、安心して使用できる銅配管が採用されています。日本銅センターが協力し、東京都日野市南平小学校で導入しています。

他にも、銅管には加工性の良さ、プレハブ方式による工期短縮のメリットもあります。直結給水に適した衛生的な管材として、さらなる普及活動と技術的改善を続けています。

洗面器

銅の微量金属作用によって水が清浄に保たれるため、医療現場では銅製の洗顔容器が使われてきました。例えば、眼科では、銅の洗面器に張った水での洗顔は、眼の衛生を保ち、結膜炎やものもらいの予防に役立つと推奨されています。

銅製の洗面器の写真
花瓶

花瓶の花がいたむのは、水が腐ることに大きく影響されます。銅イオンが僅かにあれば、花瓶の水の雑菌発生を抑えることができます。これによって、花を長持ちさせることができる訳です。 花瓶に10円玉を入れておくと、花が長持ちすることも、よく知られています。

銅製の花瓶の写真

海外事例

今、世界中で、様々な用途において銅の超抗菌性能が活用されています。例えば、通常日本ではコンクリートで作られている下水溝の蓋ですが、アメリカ・ニューヨーク5番街には銅製のものがあります。景観的にも素晴らしい仕上がりですが、銅の働きにより、蚊などの害虫の発生を抑制する効果も期待できます。

その他にも、アメリカでは食堂テーブルやキッチンシンク、チリでは学校で使用される机の天板や病院施設内、また、ブラジルでは空港施設など、人の出入りが多かったり、衛生環境が特に懸念されたりする場所において活用が進んでいます。

道(アメリカ)の写真
道で(アメリカ)
マクドナルドハウスで(アメリカ)の写真
マクドナルドハウスで(アメリカ)
学校で(チリ)の写真
学校で(チリ)
空港で(ブラジル)の写真
空港で(ブラジル)
病院で(チリ)の写真
病院で(チリ)
厨房で(アメリカ)の写真
厨房で(アメリカ)